かんな解体新書 ~研ぎ ~
鉋の手入れ
- 直接日光のあたる場所に放置すると台が割れる。
- 鉋を置く時は、下端を横にするか、上に向けて置く。
- 保管する時は、鉋身を全部抜かずに、刃先を少し引っ込めて、下端の近くで止めておく方が台の狂いが少ない。
- 研いだ後は十分水気を拭き取り、油で拭いておく。
鉋の研ぎ
- まず一番大事なことは、粗・中・仕上げ砥まで、砥石の面を平面に調整することが必要です。 平面にする為には砥石面直しペーパーや金剛砂を使い常盤で直す方法がありますが、一番信頼性が高いのは、厚いガラス板に中砥で#100~150・仕上げ砥で#240の耐水ペーパーを水で張り付けて平面に加工し、平面になったら水で洗い、名倉をかけておくことです。
- 粗・中砥は、砥石の端から端まで平均して刃物を当て、返りが出来るまでじっくり研きます。 仕上げは15分から20分かけて研く(裏のカエリの部分は注意して流すこと)。
- 粗・中砥で使用した水は、仕上げの前に入れ替えます。
- 斜め研ぎ・立て研ぎがありますが、斜め研ぎは刃が安定して刃先がハマグリ状になりにくい。 研ぎ汁が黒くなると砥石を洗い、名倉をかけ、刃先の角度を28度~29度で研き上げます。 力を入れずに研き、仕上げはストロークを短くして研くと良い刃先になります。
- 仕上げに刃物用錆止め油を塗り、保存します。
鉋の刃の角度は約28°~30°が良いとされています。
角度が鋭角になれば刃コボレの原因になり、鈍角になれば引きが重くなります。 しかし、削る材質に応じて角度を調整すれば、切れ味が良くなります。 柔木を少し鋭角に(桐勾配は約21°)、堅木は鈍角(約33°~35°)が一般的です。
合砥での仕上げ研きは、ごく少量の水で力を入れずに研ぎ上げる。 |
削り華
薄く削る事は、刃研ぎと台の調整をいかにうまく出来るかで決まります。長切れと薄切れは別ですが、削ろう会等で測定された削り華では、3ミクロンから5ミクロンがトップデータになっています。
※左写真は、弊社製品の青スーパー「影 常三郎 70㎜一枚刃」を使用して出来た6ミクロンの削り華です。 |
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